2012年3月11日日曜日

ジョブズが iPadの画面サイズに拘る理由。

画面サイズの比較
 スティーブ・ジョブズは、デバイスの画面サイズに明確な指針を持っていた。2011年10月18日 アップル決算発表の際、以下の様な主旨の発言をした。他社から多数登場した、 画面サイズ 7インチのタブレットを意識しての発言だ。

    • 画面サイズが7インチのiPadは発売しない。
    • スマートフォン・アプリとタブレット・アプリは別の物である。
    • タブレット・アプリには9.7インチ以上の画面サイズが必要である。
    • 画面サイズ 7インチは、スマートフォンとして大きすぎる。

         上記の発言内容を分析すると、アップルは、デバイス単体で商品戦略を練り上げていない事が分かる。デバイスとそれに対応したアプリを一体化して考えているのだ。アップルは、iPhone用のアプリとiPad用のアプリを明確に区別している。

         iPhoneは片手での操作を想定し、iPadは両手での操作を基本としている。iPhoneは移動中でも手軽に操作出来る携帯情報端末である。街を歩きながら、電車内で吊り革につかまりながら、片手で頻繁に使用可能だ。ハードもソフトも片手で操作ボタンを駆使出来る様に設計されている。iPadは 大きな画面サイズによって、迫力ある画面構成を多様に表現する。静的なテキスト・画像だけではなく、動的な映像、アニメーション、サウンドを効果的に組み合わせる事が可能だ。iPadは 基本的に ある場所での滞留状態で操作を行う。持ち運びは可能だが、ある場所に留まっての操作により適している。リビングやベッドルーム、オフィスのデスクで、あるいはカフェテラスなどに留まって使用するイメージだ。iPadは片手では操作出来ない。アプリのコンセプトも、画面デザインも、それを踏まえた上で構築しなければならない。

         アップルは かなり初期の段階から、iPhoneでは対応出来ない、個性的アプリのイメージを発想したのだろう。それらを実現させる為には、大画面が必要だ。それ故に、iPadというデバイスを開発した。アップル以外の陣営は、スマートフォン・アプリとタブレット・アプリの区別が明確化されている状況が伝わって来ない。持ち運びに便利なタブレット… という形状的理由を最優先して7インチ・タブレットを開発しているのだろうか。

         それでは、iPadらしいアプリとは、一体どんなものなのか? 今後は、それを考察して行きたいと思う。

        0 件のコメント:

        コメントを投稿