2012年3月23日金曜日

新iPadの「重さ」と「厚み」が気にならない3つの理由。

 新iPadは、iPad2より51g重く、0.6mm厚い。51gとは、どれくらいの重さなのか? 我が家の晩御飯に使われる卵の重さを計ってみた。Mサイズの小さな卵1個で53gである。新iPadは、卵1個分 重くなった訳だ。新iPadを重いと感じるか。それは、ユーザーによって意見が分かれるだろう。新iPadの重さを残念に感じているユーザーの気持ちも分かる。しかし私自身は、新iPadの「重さ」と「厚み」は気にならない。実際に手に取って体験してみた実感である。新iPadには、卵1個分、重くなったとしても、手に取りたい理由もある。私にとって卵1個分の重さよりも、ずっと重要な事である。

1. 高解像度ディスプレイは、圧倒的に美しい。
 新iPadの高解像度Retinaディスプレイは、目が疲れない。これに慣れてしまうと、旧iPadのディスプレイは、目が疲れる。細かい文字がボンヤリして非常に見づらく感じてしまうのだ。高解像度に対応したアプリは、「iPhoto」「iMovie」「GarageBand」その他 がある。しかし、まだまだ数は少ない。「細川家の名宝」や「お江戸タイムトラベル」など、芸術品を味わい尽くす分野のiPadアプリで、高解像度を活かしきる作品が登場して欲しい。高解像度ディスプレイを活かしきるには、アプリ内の画像を全て高解像度のファイルに切り換える必要がある。しかし、これらの作業は、アプリ開発者及びクリエイターにとって面倒な作業ではない。新しい世界を切り拓く冒険であり、鳥肌が立つ様な達成感への第一歩なのである。

2. 高度な処理を必要とするiPadアプリが、これから登場する。
 例えば「iPhoto」は、初代iPadやiPhone3GSでは動かない。「iMovie」の予告編作成機能は、初代iPadやiPhone3GSでは使えない。今後は、より高度な処理をアプリで行うことになる。それに伴い、旧iPadでは動かないアプリ、動作の重いアプリが出て来るだろう。特に初代iPadのユーザーで、iPad2を所有していない方は、快適な動作環境を手に入れる絶好の機会であろう。デュアルコアA5X、クアッドコアGPUを使いこなすアプリが、これから登場するだろう。

3. アップルの革新性が失われていない事への共感。
 新iPadは、高解像度ディスプレイと クアッドコアGPUを搭載しながら、10時間動作する。iPad2のバッテリーは、25Wh。新iPadのバッテリーは、42.5Whである。つまり、新iPadのバッテリー容量は、iPad2の1.7倍もある。当然バッテリーの形状サイズも大きくなるはずだ。しかしアップルは、卵1個分の重量増加で納める事に成功した。この設計力に拍手を送りたい。アップルは、燃料電池を開発中だという話がある。この燃料電池は、1度充電すると1ヶ月間は充電が不要だと言うのだ。酸素など外部から取り込んだ物質を水素などと化学反応させることで継続的に電力を発生させる技術。この話が本当なのかは、まだ分からない。しかし、いつの日か、その答えが分かるだろう。今回アップルが魅せた設計力は、将来の燃料電池に期待を繋ぐものだ。新iPadを体験したおかげで、将来の技術開発に期待が繋がった。

 スティーブ・ジョブズが、この世を去って以来、「アップルの革新性は失われた…」という意見を目にする事がある。 新しいiPhoneにも、新しいiPadにも驚きがなくなった、という意見だ。しかし ジョブズ最大の発明は、iPhoneでもiPadでもなく「アップル」という企業そのものである。ジョブズは 自分がこの世を去るにあたり、アップルという企業が「アップルらしさ」を失わない為に様々な仕掛けを用意した筈である。とてつもなく細かい事柄に拘る人物なのだから。それが成功するかどうか、私は今しばらく見守りたい。

 次回は、スティーブ・ジョブズの名言について考えたいと思う。

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